聖地の風景

ふんわりしたスピリチュアルの世界や、ガチガチの現実主義にも関わらない、気ままな僕が記す体験記。全て脚色無しの実話です。深刻な病気を背負い絶望している人へ読んで頂きたいです。特定の政治、宗教団体には所属しておりません。またブログ内で使用する私個人が撮影した画像に一切加工は施しておりません。

4年10ヵ月後の再発

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抗がん剤の影響は凄まじいものがあった。


僕の身体に入った抗がん剤の量も量だが、副作用が特に酷く、投与してから30分も経たず、悪寒と嘔吐に苦しむ。

何度吐いても吐き続け、胃の中に何もない状態で、嘔吐が止まらない、長い長い生き地獄が続く。


最後は吐く物がないので、空っぽの胃から絞り上げた血の混じった唾液を、永遠に吐き続ける事となる。しかも無様にも、ベッドに這いつくばり、痩せ衰えた醜い姿で震えながら…。


当然食欲など皆無で、飲み物を飲んでも、僅か数分で吐き戻してしまう。
この状態が一週間程続き、翌週には徐々に吐き気が治まり始める。
少し食べ物を口に入れ、食欲が出始めた週末には、また新たな抗がん剤の投与が始まって行く。

僕の場合、このローテーションで3ヵ月抗がん剤を投与。
勿論、髪も眉毛も情けなく全て抜け落ちるが、そんな事より、拷問のような日々が長く続いた事で、精神を著しく病み、廃人同様になって行く自分が見え隠れしていた。
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この時期、普通に食事が摂れる何気ない日常が、どれくらい有り難い事なのか、嫌という程味わう。

そして何より、治療が終わっても、また抗がん剤を投与しなければならない状況がやって来たら、僕はどう対処したら良いのか、どう自分を納得させたら良いのか、その不安が過る度、頭がおかしくなりそうになる。


自分自身に、辛うじて魂の存在は確認出来るが、ミイラのような身体を纏い、一切の欲が消失したころ、漸く苦しい治療が終わり、運よく腫瘍もある程度縮小し寛解となった。
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寛解とは、治療を継続しながら、癌の症状が殆ど消失した状態を指す。
以降、完治する場合もあるが、再発する可能性もあり、定期的な検査が必要となる状況。この寛解が、僕にとって厄介で、くせ者だった。


定期的な検査を催す病院は、またいつの日か、癌が再発した事を告げるイベントホール…。


こんな不安と恐怖に苛まれる日々が続くのなら、こんな欠陥だらけの僕を産んだ親を恨みながら死ぬのも悪くない。

いや、それ以前に、僕は何も悪い事をしていないのに、何故こんな目に遭うんだろう?。
一体僕は、なんの為に産まれてきたんだろう?。
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そんな風に、毎晩ぶつけようの無い静かな怒りを抱え、唯一自分の病気を忘れる事が出来る、睡眠という名の付いた劇場へ、その感情を連れ込むしかない。
今晩は…どんな物語を見れるだろうか?。
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同情や励ましはいらないから、その代わり、情けない程に、この現実を誰かの所為にしたかった…。


探して、探して、探し倦ねて、頭の中にこびりついた恐怖を取り除く手段は、結果何一つ存在しなかったのだ。


担当医の、
「2週間後、また検査に来て」が、

「1ヶ月後」になり、


「3ヵ月後」に延び、


「半年」の言葉を喜び、


「一年後」の言葉に歓喜し、


「5年経ったら寛解です」


その言葉を忘れかけていた、治療から4年と10ヵ月経過した冬の寒い夜に、また胸に腫瘍が見付かった。
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何不自由ない生活を送る人々。健常者が行き交う街並み。美しい自然…。
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神様が作った、この世という世界に、また少しずつ恋心が芽生え始めていた矢先の出来事だった。
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https://youtu.be/yOAwvRmVIyo
誰しもが歓迎する音楽を紡ぎだす、ミスチルスピッツ嫡流。稀代の歌姫出現に、吉田拓郎、浜省は何を想うのか?。

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